腰痛は、急に痛みがでてくる急性期と何となく痛みが続いていて、調子の良い日もあれば悪い日もあるような慢性期に分類できます。
急性腰痛は、なんの前ぶれもなく突然出てくる場合と何となくおかしいなという状態から日に日に痛みが強くなるという状態があります。
重いものを持った瞬間にギクッとなったり、クシャミをしてギクッとなる場合もあります。
普段はなんでもない日常的な動きでもギクッとなることもあります。
慢性腰痛は、何となく重怠いような痛みがずっと続いたり、長時間同じ姿勢をしていると痛みがでるなど耐えられない痛みではないが、腰が痛いという状態です。
そんな急性腰痛と慢性腰痛の対処法をご紹介します。
急性腰痛の対処法は、発症直後と2~3日経過した後、1週間後で違ってきます。
ご自分の状態に合わせて、対処してみてください。
ますは、発症直後の対処法です。
ご自分の今の状態はどうですか?
安静にしていれば楽ですか?
発症直後は、とても強い痛みに襲われることも多く、少しでも動くと痛みを感じます。
とても強い痛みがある場合は、無理して動くことはせずに、安静にして過ごしましょう。
安静にしていても痛みがあり、動きに関係なく、どんな体勢でも痛みがある場合は、すぐに病院に行くことをおススメします。
安静にしていても吐き気や冷や汗が出る場合も同様です。
事故やケガの直後の腰痛は、骨折している場合もありますので、病院で検査を受けることをおススメします。
それ以外の場合は、ご自分にあった対処法を選択し、お試しください。
対処には、主に以下の3つの方法があります。
ますは、自分でできる対処法をご紹介します。
急性腰痛は、痛みが強くなければ2~3日で軽減されることもあります。
下記の方法を試しながら様子をみても良いでしょう。
腰痛の根本的な解決にはなりませんので、痛みが軽減されたら、再発防止のために生活習慣などを改善しましょう。
■ 安静にしてストレッチ
発症直後は、腰の筋肉がとても硬くなっていることが多いので、なるべくその筋肉を使わず、ストレッチしてあげるような姿勢をとると良いでじょう。
具体的には、腰を曲げるように、九の字になって横向きで寝るようにします。
右を下にして寝る場合と左を下にして寝る場合とで、痛みの出方が違う場合があります。
その場合は、楽な方向で寝てください。
仰向けで寝る場合は、膝の裏に枕のようなものをあてるか、膝を曲げた状態にして寝ると良いでしょう。
人によって、横向きが楽な場合と仰向けが楽な場合がありますので、一番楽な大勢をとるようにしましょう。
軽いぎっくり腰の様な時は、安静にしすぎるのも良くありません。
寝たままにならずに、動けるようなら、無理せず普段通りの生活をするように心がけましょう。
■ 痛み止めを使う
どうしても仕事に行かなければならない場合や用事があって安静にできないという方は、市販の痛み止めを服用すると良いでしょう。
痛み止めにも沢山の種類があります。
持続時間や有効成分の違い、身体にかかる負担の違いなどもあるので、ドラックストアにいる薬剤師さんに相談すると良いでしょう。
湿布や塗り薬にも痛み止めの成分が入ったものがありますので、試しても良いでしょう。
ただ、飲み薬の方が効果が表れやすいと言われています。
早く痛みを何とかしたい場合は、飲み薬を選択されるほうが良いと思います。
飲み薬と湿布や塗り薬を併用する場合は、注意が必要なものもあります。
併用したい場合は、専門家に相談しましょう。
■ 腰痛ベルトをする
痛み止めと同じく、どうしても動かなければならない時に使用すると良いでしょう。
痛み止めと合わせて、腰痛ベルトを腰に巻いていると少し動ける場合もありますので、試してみてください。
腰痛ベルトはあくまで補助的なものです。
寝ている時は、血行不良になることもありますので、外しておくことをおススメします。
通販でもありますが、ドラックストアの方が早く手に入ります。
腰痛ベルトには、沢山の種類があります。
インターネットで情報を集めておいて、ドラックストアで購入すると良いと思います。
急性腰痛は、腰か骨盤のバランスの悪さが原因で起こっていることが多いので、両方をサポートできる商品がおススメです。
腰と骨盤を覆えるような広めの腰痛ベルトが良いでしょう。
腰痛の場合、整形外科を受診するのが一般的です。
急性腰痛でも、動けるくらいの腰痛であれば、2~3日様子をみても大丈夫なことが多いです。
激しい痛みや初めて腰痛になってしまった時は、念のために病院で診ていただくのも良いでしょう。
検査をして、悪い病気でない場合は、痛み止めや湿布などで様子をみるように言われることが多いようです。
病院によっては、電気治療やマッサージ、針などの治療をしていただけるところもあります。
いろいろな治療も受けたい場合は、その病院の施設をあらかじめ調査しておくと良いでしょう。
痛み止めに頼りたくない方や今日中に少しでも良くなりたいと思っている方は、鍼灸やカイロプラクティックなどお試しください。
癒し系のマッサージをしている所ではなく、痛みを取り除くことを目的とした施術をしている治療院を選択されると良いでしょう。
接骨院や整骨院を受診したいと考えている場合は、自費診療している治療院を選択する方が良いでしょう。
自費診療の場合は、制限なく自由に施術ができます。
一方、保険診療は、施術内容に制限があります。
保険適応の施術では、十分な時間や施術がされないこともあります。
一般的な治療院では、保険適応とならない場合が多いです。
保険を使いたい場合は、掛かろうと思っている治療院に直接伺うと良いでしょう。
治療院を選ぶ基準としては、経験年数5年以上、癒しではなく根本治療を行っていることなどを目安にすると良いでしょう。
『事故や転倒後などに痛みがでている場合』
事故や転倒後に激しい腰痛を感じている場合は、筋肉の断裂や骨折していることも考えられます。
一度、病院で診ていただくことをおススメします。
骨や筋肉に異常がなければ、治療院での施術も可能になります。
『ご年配の方の場合』
ご年配の方は、圧迫骨折による急激な痛みも考えられますので、一度お医者様にみていただくことをおススメします。
圧迫骨折は、骨粗鬆症で背骨が弱くなってしまっている時に起こりやすい現象です。
軽い尻餅をついた後や少しの段差を踏み外しただけで骨折することがあります。
ちょっとした段差でつまずいた後や日常生活の何気ない動作でも骨折することもあります。
ご心配な方は、整形外科を受診さると良いでしょう。
ぎっくり腰のような急性腰痛は、軽いものであれば翌日から少しずつ痛みが改善されていきます。
とても強い痛みに襲われた場合、2~3日たっても痛みがなかなか改善されないこともあります。
痛み始めたころよりも日に日に痛みが強くなっている場合は、病院で診ていただくことをおおススメします。
発症直後はとても強い痛みに襲われても、2~3日経過すると痛みが和らいでくることもあります。
少しでも痛みが和らいできている場合は、あまり安静にしすぎず、なるべく動きましょう。
日本整形外科学会の腰痛ガイドラインでも、長い安静はあまり意味がないと報告されています。
でも、まだ重いものを持ったり、無理な体勢をすることはしないようにしましょう。
腰に不安がある場合は、身体が緊張しやすくなります。
身体が緊張しやすくなると筋肉が硬くなり、腰痛が再発しやすくなってしまいます。
腰痛ベルトをして、不安を解消しておきましょう。
この時期は無理をせず、少しずつ普通の生活に戻るようにしていきましょう。
痛みがとれてきたことに安心せず、ご自分の身体のケアをすることも大切です。
この時期にしっかりケアをして、また同じような症状にならないようにしましょう。
『この時期にできること・やった方かよいこと』
急性腰痛になってしまうということは、身体になんらかの問題があるというサインです。
また同じようなことにならないように、運動を始めたり、身体のケアをすることをおススメします。
1週間経過すると、症状は緩和されてくる場合がほとんどです。
痛み始めたころと全く同じ痛みで、全然良くなっていない場合は、病院にいくことをおススメします。
病院で検査を受けて特に異常がないにもかかわらず、痛みがある場合は、回復力が低下している可能性があります。
その時は、治療院で施術をしていただくと良いでしょう。
施術は、痛みを軽減させ、回復力を高める効果があります。
鍼灸や整体院など治療系の施術を行っているところがおススメです。
違和感や軽い痛みを早くとりたいと思っている場合も、治療院で施術を受けると良いでしょう。
再発予防にもなるので、施術を受けることはおススメです。
違和感や軽い痛みが残っている場合、特に何もせず、少し様子を見るのも良いでしょう。
何もしないといっても、身体を動かすことは大切です。
再発予防のためにもストレッチやヨガ、軽いウォーキングなど始めると良いでしょう。
強い痛みがない場合、痛み止めは極力使用されない方が良いでしょう。
痛み止めは、血流の低下をまねきやすくなります。
血流の低下は、身体の改善の妨げになります。
どちらかと言えば、患部や身体を温め、血行促進に努めましょう。
慢性腰痛は、急性腰痛とは違い耐えられないような強い痛みがでることはありません。
何となく重怠いような痛みがずっと続いたり、長時間同じ姿勢をしていると痛みがでるなど耐えられない痛みではないが、腰が痛いという状態です。
日によって痛みの強さが違ったりすることもあります。
季節や天気に左右されることもあります。
慢性腰痛には病気が隠れていることもあります。
身体の体勢や動きに関係なくいつも鈍い痛みがある。
寝ていても何となく鈍い痛みがある。
などの症状がある場合は、病院で検査をしていただきましょう。
それ以外の慢性腰痛は、自分で対処することにより、軽減できる症状です。
下記の対処法を組み合わせて行うことが改善への近道になります。
よろしければお試しください。
慢性腰痛は、血流が低下している場合が多いので、温めることが大切です。
毎日お風呂にゆっくりつかり、温めてみましょう。
お風呂につかるのはリラックス効果もあります。
リラックスすると血流が良くなりやすく、温まるのも早くなるでしょう。
使い捨てカイロを貼るのも良いでしょう。
腰を温めたい場合、腰に直接カイロを貼るよりも、おへその下あたりに貼ると良いでしょう。
おへその下にはツボもあり、腰を直接温めるよりも腰全体が温まります。
筋肉が硬直していることが多いのでそれを緩和するために運動することも大切です。
一週間に一度、たくさん運動するよりは、毎日軽い運動を少しずつ行う方が良いでしょう。
一週間に一度にまとめて沢山運動すると、かえって疲労を蓄積させる可能性があります。
疲労の蓄積は、筋肉を硬くしてしまう要因にもなってしまいます。
それよりは、毎日軽い運動をすることで、適度な刺激を筋肉や関節に与えた方が良いでしょう。
休みの日に寝だめをするよりは、毎日十分な睡眠をとった方が疲れにくいのといっしょですね。
毎日行う運動は、ラジオ体操のような運動で十分です。
ラジオ体操は、第一と第二合わせても7分弱。
インターネットのYouTube(ユーチューブ)でもみられます。
ご自分にあう運動を試して、やってみることをおススメします。
座っている姿勢は、立っている時よりも腰に負担がかかっています。
その負担のかかっている状態を長く続けると筋肉や関節に悪い影響を与えてしまいます。
それを毎日続けると慢性的な腰痛の原因になってしまいます。
デスクワークの方は、1時間に1回位は伸びをしたり、席を立ったりして大勢を変えましょう。
車を運転している状態や飛行機で座っている状態など体勢を変えるのが難しい場合は、腰まわりを少し動かしましょう。
腰を前後左右に動かすだけでも筋肉や関節の刺激になり、腰痛になりにくくなります。
栄養や睡眠が不足していると身体を効率良く修復したり動かしたりすることができなくなってしまいます。
腰痛には、筋肉や骨格、神経の働きが関係しています。
睡眠や栄養が不足するとこれらの働きが悪くなり、腰痛を引き起こす原因となります。
筋肉には、特にタンパク質の補給が必要になります。
栄養が不足すると効率的な修復ができなくなったり、筋肉量が低下してしまい腰痛の原因になってしまいます。
タンパク質は、神経や骨格にも重要な栄養素となります。
肉や魚、大豆製品や卵製品などからバランス良く摂りましょう。
ビタミンやミネラルなども必要になってきますので、いろいろな食品をとるように心がけましょう。
身体は、寝ている時に修復されるので、睡眠不足は疲労を翌日に持ち越す原因となります。
また、睡眠時には様々なホルモンが沢山分泌されます。
これらのホルモンは、疲労回復や細胞の修復などに関わりがあります。
睡眠不足は、十分なホルモン分泌の妨げになり、疲労回復や身体の修復がうまくできなくなってしまいます。
神経や筋肉を休めるためにも毎日きちんと眠るようにしましょう。
慢性腰痛は、原因が取り除かれるととても良くなることがあります。
治療院は、腰痛の原因を見つけて施術をする、根本治療系の院が良いでしょう。
鍼灸やカイロプラクティックなどの整体院がおススメです。
施術内容はその治療院によって違います。
施術を受ける前に電話やメールで確認しておきましょう。
どの院でも、きちんとした対応してくれると思います。
気軽に相談してみてください。
治療院で施術を受けることがおススメなのは、自己回復力(自然治癒力)があがるというのも理由の一つです。
慢性腰痛に悩まされている方は、自己回復力が低下していて、なかなか改善されないことがあります。
治療院で施術を受けると自己回復力が向上して、痛みの回復が早まる効果もあります。
よろしけばお試しください。
なかなか良くならない慢性腰痛は、病気がかくれていることもあります。
身体の体勢や動きに関係なくいつも鈍い痛みがある。
寝ていても何となく痛みがある。
などの症状を感じている時は、病院で診ていただくと良いでしょう。
また、腰痛がなかなか改善しなくて、以下の項目に当てはまるものがあれば、病院に行って検査をした方が良いでしょう。
『 ガンや悪い病気が関係している腰痛 』
いままでにガンになったことがある方は要注意です。
また、内臓の病気が原因で腰に痛みを感じる方もいらっしゃいます。
痛みが軽減する体勢や動作がない、少しずつ痛みが強くなっている場合などは、病院で検査をしていただきましょう。
『 骨折が原因で感じている腰痛 』
シニアの方に多くみられる腰痛です。
特に女性で起こりやすく、尻餅や転倒などちょっとしたことでも骨折してしまうことがあります。
事故やケガなどでは、シニアの方だけでなく、10代でも起こることもあります。
事故やケガの後の長引く腰痛は、検査を受けた方が良いでしょう。
『 内臓の病気などで感じる腰痛 』
腰痛には内臓の病気から来るものもあります。
胃や膵臓(すいぞう)、胆のうや肝臓の病気、腎結石や尿管結石、腎臓や膀胱の病気、大動脈瘤や血管の問題などがこれにあたります。
子宮筋腫や子宮後屈など婦人科の病気でも腰に痛みを感じる場合があります。
安静にしていても痛い、どんな姿勢でも痛い場合は、医療機関に相談しましょう。
『 発熱を伴う腰痛 』
腰の痛みがある場所が熱をもっていたり、腫れている場合は要注意です。
腰痛とともに熱感があったり、体温が高い場合、感染している可能性もあります。
『 便や尿をうまく調節できない 』
腰痛とともに、便や尿がでなくなってしまったり、自分の意志で止められなくなってしまった場合は、病院で検査をしていただきましょう。
おしりや陰部にしびれを感じている場合なども注意が必要です。